薬学から新たな専門職の可能性


大学院といえば、「研究者の養成所」というイメージがあると思います。確かに伝統的にこれまで研究者を育てる役割を果たしてきたことは事実です。しかし、最近は「専門職大学院」という、専門職の養成を目指す、従来の型を破った大学院が数多く設立されています。

 

ジェネリック医薬品の普及とともに、コピー医薬品が急速に臨床でも用いられる時代ですが、売られている医薬品が果たして知的所有権に抵触しないものなのかの判断にはますます高度な知識が求められるようになってきました。専門職弁理士は医薬品に関わる知的所有権の保護を通じて社会全体での医薬品の品質維持を図る、今後活躍が強く期待される、社会的需要の高い職業です。

 

とりわけ、医薬品における知的財産権(所有権)を主に扱う専門職大学院という存在が近年目立っていることに私たちは注目しています。このような時勢により、薬剤師兼弁理士として活躍する、あるいは、一定の薬学研究の後、医薬品に関する知的所有権を専門に扱う学者を目指すこともユニークな進路設計となります。

 

現代社会のニーズがこれほどあるにもかかわらず、こうした複合的な専門家は皆無に近いといえます。薬剤師免許を取得後、専門職の大学院に進むことで独自の専門領域を開拓することが十分にできます。この時代、今まさにこの領域を開拓すべきは薬学生なのです。薬剤師とは比べものにならない収入と地位が見込める領域なのです。

 

これらの方は、先に述べましたような専門職大学院(例えば、京都大学大学院医学系研究科社会健康医学専攻内「知的財産経営学」講座や、東京理科大学イノベーション研究科知的財産戦略専攻)のような新しい分野で教員として将来活躍できる可能性は極めて高くなるとみています。実際のところ、これらの分野では人材不足が著しいというよりも、皆無に等しいからです。

 

※こちらの進路を真剣に検討される方もお気軽に私たち「薬学進路研究班まで」ご相談ください。

個別事例に即した具体的な進路設計をご提案しています。