数学の勉強について

薬学部を目指す学生さん達は、適当に薬の名前を覚えれば国家試験に受かると安易に考えている場合が多いです。

 

しかし、薬学はそもそも理系の分野ですので、当然数学の基礎は必須です。

例えば、反応速度論や薬物動態学では数学で理解しますし、物理化学や薬剤学は物理の応用なので、数学のセンスが必要です。

より具体的に言えば、『一日何錠薬を飲む』だとか『薬の使用期限』などは、厳密には数学を用いて計算します。

 

このように、薬学のあらゆる場面で数学を使用します。

薬学部で実施されている基礎数学などの科目をおろそかにすると、留年で一年を棒に振るといった単純な話ではなく、

進級した後、学年が上がっても相当苦労しますし、国家試験にも受からず浪人してしまう事もあり得ます。

 

ですので、少しでも早めに準備を進めておくことです。

それから、毎日勉強する事をお勧めします。

少しでも数学に触れて(例え30分でも)、頭を馴らしておく事が重要なのです。

 


物理の勉強について

実は私立大学の薬学部は、高校時代に理系数学や物理を履修していなくても合格できてしまいます。

ですが、薬学基礎科目での物理化学はもちろん、専門科目では薬剤学でも物理の基礎知識は必須です。

 

なので、薬学部でも物理の使用頻度は高いので、特に高校物理をやっていない学生が、 物理系の教科でつまづいて留年をしてしまう場合が非常に多いです。

 

 

薬学部の中ではこういった事態に対応するために、リメディアル科目と称して1年次から高校の内容までも教育している大学も少なくありません。もちろんその中には物理が含まれます。

 

ですが、一般に物理を勉強するには10代の頭の柔からさが必要とされてます。

なので大学一年を19歳で迎えるとすれば、物理を学習するギリギリの年代かもしれません。

 

各大学で実施されている物理などの基礎科目をおろそかにすると、物理化学や薬剤学を理解できないだけでなく、仮に進級できたとしても、国家試験を突破できない可能性があります。なぜなら物理系の教科は暗記が通用しないからです。

ここが物理系薬学の最大の違いです。試験直前の詰め込みが効きません。

 

 

物理系の教科は常日頃から少しでも触れる事が大事です。

まずは毎日触れることから始めて、頭に物理的なイメージを定着させることを心がけましょう

 

 


生物の勉強について

生物では計算が少なく文字情報が大半を占めるため、「暗記科目」と勘違いされている方がたくさんいます。

 

薬学部は「薬について学ぶ学部」ですが、薬のことを詳しく学ぶためにはヒトの体のしくみを理解していることが前提となります。ヒトの体のしくみは非常に複雑で難解です。それ故、必要となる知識量も膨大なものとなります。

 

しかし、その膨大な知識量が仇となり、理解が追いつかず、暗記に走る学生が多くいます。

暗記には限界があり、薬学部で学習する内容をすべて暗記することは不可能です。この勉強法ではいつか必ず失敗(留年)します。

では、どうすればよいか? 理解することです。

 

生物系の科目はたくさんあります。高校の生物から始まり、大学では「生化学」「生理学」「細胞生物学」「薬理学」「病態生理学」「薬物治療学」「免疫学」といった専門科目があります。科目が異なると別物と捉える方がいますが、これらの科目は全て繋がっています。細胞レベルのしくみが組織や器官のしくみを作り、それによってヒトの体が機能しています。正常な機能(健康な状態)を理解していないと異常が起こった際(病気の際)に何が異常か判断できません。

 

生物系科目の学習は、細かく分野分けして行うために全体像が把握しにくいです。しかし、全体像を把握することが生物の学習では最も重要となります。全て繋がっています。

全体像の把握をするには文字情報のみでは難しいので、図式化することをお薦めします。図を用いることで視覚でも理解することができ、イメージとして記憶することもできます。